当たり前の有り難さ
発熱でかかって、インフルエンザとかコロナの診断がついて、喉の痛みにはこれ、咳にはこれ、、等々さんざん説明して、「では、お大事に!」となっても、「先生、今のこの喉の痛みはどうしたら?」とか、「今のこの節々の痛みはどうしたら?」とか、今この場で何とかして欲しい的な質問が多いような気がします。
うがいをするとか、薬を飲んで寝て様子をみるとか、自分で戦わないですぐに何とかして欲しいと言われても、こちらは魔法使いじゃないんだし、、。
「インフルエンザは今でこそ薬があって治る病気ですけど、以前は多くの人が命を落とした病気なんですよ!ですから、二~三日寝て様子をみるくらいのことは覚悟して下さい!インフルエンザの診断キットや薬なんて私が子供の頃は無くて、流行性感冒という診断で寝て治したのですから!」なんて話をするとびっくりされます。
今でこそたくさんの診断キットがありますけど、あんなのここ20~30年くらいの話で、私が医者になってすぐの頃には無かったのですから。
以前は血圧の薬だってほんの数種類だけだったし、ピロリ菌の発見や除菌も最近の話だし、今の人達がどれだけ医療の進歩の恩恵を受けているのか…。
人は “存在” が当たり前になると、その有り難みを忘れて、その上を求めるようになってしまうのですよねぇ…悲しい事です。
蛇口をひねるとお湯がでたり、スイッチを入れると暖房が出たり、そんな当たり前のことを当たり前と思わずに、生活の中の一つ一つの事がどれだけ有り難いことなのか、、大震災が来るかも知れない今だからこそもう一度見直してみて、「有り難み」を家族で話し合ってみませんか?(^_^;)