医者が偉かった時代はどこに…
昨日はメディカルセンターの当番医。
最近は、コロナワクチンの副作用だと言って来られる方が増えているそうで、昨日は、「ワクチンを打ってから3日目なのですけど、吐き気と下痢が出た。ワクチンの副作用だと思うのですが。」という方が。
最近はノロウィルスと思われるお腹の風邪が流行っているので、診察した上で、「副作用ではなくて、お腹の風邪ですよ。」と申し上げたら、「副作用に吐き気とか下痢と書いてあるのに、何で先生は違うとおっしゃるのですか!」とご機嫌を損ねたようで…。
現場に立ち続けて患者さんと向き合っている医者よりも、インターネットとかテレビで言っていることの方が信用されてしまうようになったのはいつからなのでしょうね。
いつだったか、テレビで「ノロウィルスが!」を連呼していた頃は皆さん、「ノロですか?塩素系の消毒剤を買って消毒した方が良いですか?」と騒いでいたのに、今も変わらずノロウィルスによる下痢・嘔吐が流行っているのに、誰もノロとか消毒剤なんて言わなくて「副作用!」「副作用!」と連呼…。
検査してウィルスを検出して見せても良いのですが、無駄にお金を使わせてしまうのも考えものなので、「もう少し現場に立つ医者を信じてみても良いのではないですか?この症状、3日で治りますし、2回目の接種をした時には下痢も嘔吐もしないから、その時に私の言っていることが正しいとご理解いただけますから。」と御説明しましたが、心に響いたかどうかは分かりませんけど、とっさに私の名札を見ていたので、医師会にクレームがいったら事務局の方よろしくね。(^_^;)
頑張っても報われないことの多いこの仕事…、天寿を全うする頃には、悟りを開けるかなぁ。