解熱剤は本当に必要な人のために…
コロナワクチンの接種にいらした方が皆さん「解熱剤を処方して下さい。」と言いますが、高齢者は熱が出ない方がほとんどなので、熱が出たら相談していただいて、それから解熱剤の処方をするという形で充分なのに…。
ドラッグストアでは、解熱鎮痛剤が飛ぶように売れて、もはや品薄状態らしく、外来で「出せません。」と言うと「何で?熱が出たらどうすんの!」みたいな感じになってしまって、こちらも心が痛いのですが、そもそも健康保険という仕組みを分かっていらっしゃらない方が多くて…。
みんなで普段から支払っている健康保険の掛け金を使って、何か体調を崩したそのときに役立てるのが健康保険の財源なので、頭痛が起きたら困るから…なんていう感じで、起こらない可能性の高いものに対して「予防」では出せないのです。
しかも、国民のほとんどが接種するこのワクチンに対して、全員に健康保険を使って解熱剤を出したら、健康保険の財源は一気に逼迫してしまって大変なことになりますから。
だから、熱が出たらかかりつけ医に相談して処方してもらうとか、ドラッグストアで買うとかで良いんです。
熱が出たら即どうにかなってしまうものではなく、1日~2日寝ていれば下がるものがほとんどですし、それよりなにより、「命が助かるワクチンを無料で受けられる国に生まれた幸せ」をよく考えて、何か起きたら我々ドクターが力になりますから、多少の副反応は我慢するくらいの意気込みでお願いしたいのですけどねぇ。
とても恵まれているのにメディアに踊らされてる日本人…少し覚悟とか我慢が足りないんじゃね?