学校医という仕事を理解して…

 娘の学校医の健診結果に対して、市議会議員が「医者なんか辞めてしまえ!」と言って、その先生が学校の校医を辞めてしまったという話。

 私も開業以来、高校と小学校の校医をずっとやっていますが、数値だけで判断せずに「肥満」と診断することはあります(その逆もありますけど)。

 肥満と判断された娘さんが、朝ごはんを食べない、昼の給食のご飯のおかわりをやめた、晩御飯を少ししか食べない…、そんな姿を見れば、父親として肥満という診断をした医者に怒りの矛先を向けるのは百歩、いや1億歩譲れば分からないでもないですけど、(その先生は30年も学校医をしていたそうですが)学校医もいたずらに判断しているわけでも、意地悪で肥満と指摘するわけでもなく、全くその可能性がないのに肥満という判断をするわけもなく…。

 学校医という仕事は市町村から委託されて、学校の中で起こる様々な医療的なケアを任されて、年に一度の健康診断では何百人も診察するめちゃくちゃ過酷な仕事なのに、医者の仕事の中ではほぼボランティアと言えるくらいの薄給しかいただけない、医師会で断る人が多い不人気な仕事の一つです。それなのにそんな目に遭ったら、まあ辞めるでしょうね。

 最近学校医の仕事は、服を脱がせないように文科省から通達が来たり、下腹部を視診した先生が問題視されたり、何かとお騒がせの話題なのですが、診断を真っ向から否定されて、脅しのような事をされてしまっていたら、そしてそれが学校医をお願いしている側の立場の市議会議員様だったら…こんな馬鹿らしい事は有りませんよね。

 市議会議員は「肥満という診断をしてクリニックに来させて、金儲けをしようとしている!」なんて馬鹿な事を言っていましたが、、医者という仕事、国の扱いもメディアを使って「開業医は儲かりすぎ!」とか言っているし、いったいどうなっちまっているんだか…本当にモチベーションが下がることばかりですなぁ。┐(‘~`;)┌

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