手で触れて耳で聞いて…

 認知症の奥様の手が震えるからと言ってメディカルセンターに来られたご夫婦。手を見ても震えていなくて、「震えてませんけど?」とご主人に聞いたら、「何かしようとすると震えるんです。」と。

 「様子を見て、続くのであれば神経内科で調べて下さいね。」なんて言って帰してしまっては大塚先生ではないので、血圧を計って胸の聴診をして…「ん?脈が早いけど?」。計ってみると脈が122回。でも、胸の音は綺麗だし、念のためお腹を診てみると、膀胱のあたりが張っていて、おしっこが溜まっている様子。

 管を入れておしっこを出しているうちに、咳をしていることに気づいて。

 受付で熱を測った時は36.3度だったのですが、その場で再度計ってみたら38.8度…(@_@)

 おしっこを全て出したら、そのうち吐き出してしまって(恐らく熱が上がったため?)。

 そこで、念のためコロナを調べたら陽性っ!(o゚Д゚ノ)ノ

 手の震えでいらしたのに、最終診断はコロナって…(ToT)

 診察についてくれた看護師さんは、まだコロナになったことがないそうで、うつっていなければ良いのですが。(´・ω・`; )

 それと、ご家族に連れられて来られた朝から便が出ないというおじいちゃま。普段から尿の出が悪くておしっこの管を入れていて月に一回換えているということで、お腹を診てみるとこれまた膀胱がパンパン。便の問題でなく、管が詰まっていたので、その管を抜いて新しい管を入れたらドバッと血の混じった尿が900ccも出て。

 手の震えからのコロナ、便秘からの尿閉、、患者さんの訴えを聞くことは大切ですが、医者が手抜きをせずにしっかりと診察をするということは大切だなぁ…と、最近聴診器もあてない、手も触れない医者が多いと聞いているので、今朝はこんなお話でした。m(_ _)m

 医者として、トンボが留まりたくなるような素敵な手を持とう!_(^^;)ゞ