訪問診療
昨夜、お看取りをしてきました。
開業当初から20年くらいの間は、一人で常に70件程度の患者さんの訪問診療をしてきましたが、ここ数年は訪問診療専門のクリニックが増えてきて今では1/10程度になり、私はそろそろ訪問診療の世界からお払い箱になってきています。(年齢的にも身体的にもそろそろキツかったので、全く嫌ではないんですけどね。)
何かあった時に駆けつける医者が私じゃない医者だと、患者さんも御家族も嫌だろうと思って、バイトの先生を雇ったりするのは一切せずに、相模原市のかなりの範囲の患者さんを24時間365日診てきましたけれども、今は入院も長くさせてもらえない時代、色々な先生を雇って、負担にならないように訪問診療を上手いこと回す時代なんですよねぇ。
お看取りの時などに、その患者さんの思い出話しをしたりすると、本当に和むし、良いお看取りになるのですけど、知らない先生が来ちゃうとそれが難しいし…。それと、私、ご存じの通りキャラが濃いので、代わりが務まる方…いないんですよねぇ。_(^^;)ゞ
先日、私の患者さんが施設に入るのに、患者さんの御家族は私の訪問診療を希望したのに、施設側の方が、「大塚先生では癌の患者さんは診れないので、ちゃんと診れる○○クリニックと契約して下さい。」と言われたそうです。Σ(・ω・ノ)ノ
そもそも施設の方とは会った事もないし、私の事を知らないんだろうな…と聞き流して笑顔で紹介状をお書きしましたけど、相模原の訪問診療の業界では、私はもはやそんな感じなのでしょうね。(^_^;)
昨夜も、訪問看護師さんや高齢者支援センターさんのお陰で、とても良いお看取りでした。これからも、数少ない患者さんだとは思いますけど、逆に手厚く濃い診療が出来ますので、世間が必要としなくても、縁のあった方には手厚い訪問診療をしていこうと思っています。
訪問診療の担い手が少ない頃からこれまでの約28年間、よく頑張ってきたなぁ。あまりにしょっちゅう夜中に起こされて、メンタルを病みそうになった時もあったなぁ。
老兵は死なず、ただ消え去るのみ…。