迷走日本…

 「海外ではPCR検査をいつでもどこでも何度でも無料でできるのだから、日本でもどんどんやればいいのに…。」という言葉を、テレビなどで耳にしますが。

 例えば、「診療所の換気扇がこちらを向いていて、コロナがうつるから換気扇の位置を変えてほしい。」なんていう苦情が出たりするこの狭苦しい日本という国で、「では、この町のこの場所で毎日PCR検査を実施します!」ということになったら、隣の家と距離が作れる田舎ならまだしも、人が密集して暮らしている都会で、はたして喜んで協力するのでしょうか?

 そして、保険診療の充実していない医療費の高い国で耳にする「無料で検査ができる!」という言葉と、医療費はタダ、又は3割負担で済む国とでは、その聞こえ方が違うのではないか?などと心配してしまうのですが…。

 例えば、「あなたの町の公民館で毎日PCR検査が行えるようになりますよ!」ということになったら、その場所には、感染者もそうでない方も集まって来るわけで、近隣の方は嫌な気分になるでしょうし、公民館で働いている方も嫌でしょうし…。

 となると、やはりクリニックとか病院?
 
 …感染者が増えてくると患者さんが受診を控えて来なくなるのに、PCRセンターを置いたらどんなことになっちゃうのだろう…?絶対に経営が立ち行かなくなって潰れてしまうと思います。

 今は保健所を通してPCR検査に協力している医療機関と、個人的に行っているところと、市と協力してドライブスルーで検査を行っているところがあるのですが、日が経つにつれて検査数が増えてきて、検査を行うのは善意ある数少ない医者なので、まさに逼迫状態になりつつあります。

 国は経済優先で舵取りをし始めた様子ですが、確かに日本ではインフルエンザよりも軽症で死亡者数も少ないこの病気…。考え方によっては、「新しい風邪」なので、そんなものより経済優先なのでしょうけれども、今の制度では医療機関ではもう限界が見えてきていて、保健所でもPCR検査は順番待ちの予約制で、「検査を受ける日までは自宅待機で、何かあったら救急車を呼ぶように。」などと言ってるのですが、いざ救急車を呼んでも、呼ばれた救急隊は保健所が探した医療機関に運ぶことになっているわけで、実際には受け入れ先が決まらなくて、どうにもならず…ということがすでにあちこちで起きていまして。

 経済優先ならはっきりそう言ってしまえば良いのにはっきりしないし、かといってコロナも放置状態…。

 この状況で一番疲弊するのは、保健所、救急隊、そして医療機関…。

 迷走日本…、その舵取りは布マスク信者の利権優先の政治家。

 沈没船から抜け出そうにも、厚労省でもKing & Princess不倫。(`Δ´)

 PCR検査を増やすのなら、医者ではない検査協力者が必要ですし、そうなれば激増する陽性者の管理が必要だし、、。

 これだけ全国に拡がってしまったら、もうこの火は今年中には消せないので、このままインフルエンザと混在する時期に突入するでしょうし、まさにアベノリスク絶頂期!

 国やら県やら、ホントお願い!真面目にやって…!我々医療従事者は、目の前の患者さんのためにただひたすら真面目に頑張り続けますから。

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